SoftBank World 2016:感情があればシンギュラリティは恐怖ではない

IMG_0227
残念ながらサテライト会場でした・・・

赤羽橋のザ・プリンスパークタワー東京で開催された、Softbank World 2016の1日目に来ました。

先日、ソフトバンクが英・ARMを買収する発表が行われたばかりであり、孫正義氏による基調講演はARMの話一色となりました。

ソフトバンクはIoTの会社になる

孫氏によると、ソフトバンクはパラダイムシフトの先頭にいる会社。祖業のソフトウェアの卸や出版の事業から、Yahoo!への投資をはじめとするインターネット事業、ボーダフォンジャパンの買収によって始まった携帯電話事業と、時代の流れに合わせて主要事業を転換してきたというわけです。

そして、その次にくるのがIoTである。そのキーカンパニーとなるのがARMであるというのが、孫氏の見立てです。

IoTはここ1~2年のIT業界のキーワードであり、バズワードのように感じることもありますが、世界のありとあらゆるモノにセンサーが入り、コンピュータが入り、インターネットにつながるというコンセプトは極めて重要で、それによって世の中が変わっていく範囲は大きいと思います。もちろん、IoTは個々のモノがインターネットにつながればそれで良いというわけではなく、そこから集まってくる膨大なデータ(ビッグデータ)をいかに活用し、私たちの生活を良く変えていけるかという、使い方の部分を広く含めて考える必要があります。また、ありとあらゆるモノがインターネットにつながる以上は、セキュリティにも重大な関心をもっておく必要があるのは、言うまでもありません。

ARMはIoTデバイスで非常に重要となる低消費電力という特性を持ち、さらにTrustedZoneというセキュリティ技術も有しています。ARMのチップには、チップ1つ1つに異なるハードウェア的な鍵を持っているということであり、ソフトウェアによるセキュリティの仕組みとは異なり、1つの鍵を破ってもすべての機器が一気に危険な状態に陥るわけではないという特徴があります。これはARM社の特許とのことです。

孫氏はARMのチップは20年後には1兆個が出荷されるだろうと述べました。また、ソフトバンクがWatson Summitでも強調していたシンギュラリティに関連して、コンピュータのIQは1万になる(人間の平均値を100とするIQは、200あれば天才といわれる)と予想しました。

これが本当に起こるのか。本当に孫氏の言うような世界がやってくるのか。それは分かりませんが、その方向性には狂いがないと、私も思います。

Pepperの要は感情を持つことである

IQが1万もあるようなコンピュータが現れるとすると、人間に反逆するコンピュータも現れるのではないか。それが、シンギュラリティの恐怖として謳われていることです。私は、そのようなことは起こらないと考えていますが、それには2つの考え方があるのだと思います。

1つは、そもそもコンピュータが人間と同等以上の知性を持つようになるには相当の時間がかかるだろうという、技術上の限界という意味です。私は、どちらかということこの立場です。ただ、技術者ゆえの消極的思考といわれてしまうかもしれませんね。

もう1つは、コンピュータは人間と同等以上の知性も持ち、その知性の中には感情も含まれるということです。孫氏の考え方はこちらです。感情があれば、その最高の到達点として愛がある。愛があれば、コンピュータが人間を遥かに上回る知性を持ったとしても、人間を助けてくれるような判断をしてくれる。だから、シンギュラリティは起きても、恐怖に感じることはないというわけです。

孫氏が、30年後の人、100年後の人に褒めてもらえるならば、Pepperに感情AIを入れたことだと述べました。孫氏はシンギュラリティを確信しており、そこで言われている恐怖も知っているからこそ、感情を持たせることが重要だという結論にたどり着いたのでしょう。そして、その起点としてPepperに感情を持たせるということなのだと思います。

まだまだ書いていきます

Softbank Worldは始まったばかり。1日目の基調講演の中の、孫氏が担当した1時間半ほどのパートについて、感じたことを書きました。引き続き、書いていきます。’

この記事を書いた人

井上 研一

経済産業省推進資格ITコーディネータ/ITエンジニア。株式会社ビビンコ代表取締役。
北九州市出身、横浜市在住。AIやIoTに強いITコーディネータとして活動。北九州市主催のビジネスコンテスト「北九州でIoT」に応募したアイディアが入選し、メンバーと株式会社ビビンコを創業。著書に「初めてのWatson」、「ワトソンで体感する人工知能」など。日本全国でAI・IoTなどをテーマにしたセミナーや研修講師での登壇多数。