私の仕事はSEである。今は、派遣会社に登録して、ある現場で働いている。今の現場を見ると、個人事業主のSE(PG)、派遣のSE(PG)、要するにフリーのエンジニアが、それなりの割合でいるようだ。聞いた話によると、プロジェクトの多くのメンバーが、フリーということもあるそうだ。
私が今の働き方を始めて思ったのは、「あぁ、楽な稼業だな」ということ。それまでは、正社員として、会社の看板を背負って、配下にはメンバーを持って、リーダーもしくはサブリーダーとして、顧客と対峙して仕事をしてきた。だから、会社の看板も、配下のメンバーもなく、単なる1メンバーとして働くことは、楽でしかない。それでいて、収入は正社員の頃より良いのだから、申し分ない。
しかし、そういう働き方を始めて、そろそろ1年が経とうとする今、少しばかりの危惧の念も浮かび上がっている。「このままで良いのだろうか」と。
その危惧というのは、具体的には、
ということだ。
私も、以前はプロジェクトのリーダークラスの立場にいたので、協力会社の面接に出ることが多かった。そこで、経歴書を見て、その人と合って、40代を超えてくるような人だったりすると、「ちょっとなぁ…」と思うことが多かった。いや、それはきっと私の偏見なのだろう。しかし、特にWeb系のような若いメンバーが多いプロジェクトをやっていたこともあって、周囲にいる40代といえば、だいたい自分より格上のリーダーだったり、部長だったりしたものだから、つい、そう思ってしまうのだった。
では、逆に私がそういう40代になったとしたならば、そういう見られ方に自分自身はどう思うのか。
先ほど挙げた危惧は、年齢的な話と、仕事内容の話であったが、これを単に並列で並べたのは問題がある。同じ内容の仕事のまま、年齢だけが上がっていくというのは、そりゃ成長がないのである。本当に同じ内容の仕事しか出来ないのならば、加齢で体力が落ちる分だけ、若いときより仕事が出来なくなっているはずだ。だから、仕事内容は変わっていく方向に向かわざるを得ない。
では、どういう風に変わっていくのか。ざっと挙げれば、以下のようなものだ。
最後の「経営者」というやつは、フリーという話からズレているし、ややもすると単なる偽装請負のブローカーに成り下がっているかもしれないので置いておこう。
前の2つを見てみると、これが図らずも、ゼネラリストとスペシャリストに二分してしまった。
しかし、フリーのエンジニアは、そういう人材になれるのだろうか。
まず、リーダー的なゼネラリストでいえば、ふつう、リーダー格の人材というのは、正社員が務めるところで、フリーにそういう役割が回ってくることが少ないのではないだろうか。特にリーダーなどという仕事は経験が大切なので、そういう経験が少なければ、必然的に(本当の)リーダーにはなれない。可能性があるとすれば、フリーの立場ではあるが、1つの会社とずっと契約することで、その会社の上層部に「リーダーが出来る人材」と認識してもらうことだ。契約以外は正社員的に振舞うことになるのではないか。
次にスペシャリストを考えてみる。スペシャリストはとにかくスキル(やれば出来る能力)が必要だが、それにも増してキャリア(実際に出来た経験)が必要である。もともと、スキルとキャリアのある人ならば、フリーでもやっていきやすい領域と思う。しかし、スキルは勉強すればなんとかなるとしても、キャリアをこれから作っていかないといけないという人がフリーだった場合、そういう経験をする場が提供されることがあるのだろうか。結局のところ、スペシャリストも、1つの会社とずっと契約することで、その会社の上層部に「(長期契約を前提に)スペシャリストとして育てていきたい人材」と認識してもらうことになるのであって、契約以外は正社員的に振舞うことになるのではないか。いや、だったら、正社員になっちゃえよ…と、思わないでもない。
なぜ、こういう結論になるのか。いくつかの理由がある。
ここまでをまとめると、SI業界にいる以上は、フリーより正社員の方が良いということになる。フリーでやっていけるのは、既に正社員として十分のスキルとキャリアを積んでいる人だけ…か。
このネタについては、私自身の今後の身の振り方そのものでもあるので、引き続き、考えていく。