- 2005-05-10 (火) 10:36
- ビジネス
「ソフトウェア開発基盤」は、便利な言葉であるが、言葉の定義がはっきりしない曖昧な言葉でもある。
主にSIerのソフトウェア開発事業を紹介する文脈で出てくることが多く、概ね、フレームワークと開発プロセスの組み合わせとして構成されている。
フレームワークの訳語として「ソフトウェア開発基盤」を使っている例も見受けられる。そもそも、「フレームワーク」自体も定義が曖昧な言葉である。
SIerにとってソフトウェア開発基盤とは、
- 自社の特定領域における技術力と、
- その領域における開発能力(技術者○○人の体制で・・・といった文脈)
を誇示するためのものである。(外面的には)
顧客に対する、実現力の証左といえる。
内面的に、ソフトウェア開発基盤を意味のあるものにする(外面的な能力誇示を真実足らしめる)ためには、
- 開発プロセスをPM層が完全に理解し、必要に応じて組み立てなおしができること。
- 開発プロセスをSE、PG層が理解し、自身の作業をプロセスにリンクさせられること。
- フレームワークを理解したアーキテクトが存在し、自身のプロジェクトにマッチするような対応が取れること。
- フレームワークをSE、PG層が理解し、自身の設計やコードを準拠させられること。
- フレームワークが必要十分な機能を備えているか、不足した機能を追加開発できる機能を備えていること。
- 開発プロセス、フレームワークを真に活用するためのツール群が整備されていること。
が重要と考える。
一方で、ソフトウェア開発基盤は、進化を続ける技術を、ソフトウェア開発基盤を採用する組織において固定させる結果をもたらす。技術の固定は、初心技術者にとっては学習目標の明確化につながるため望ましいことである。しかし、技術の固定は技術の進化から取り残される結果にもつながる。SIerにとって、技術の進化から取り残されることは、自身の存在意義を(少なくとも部分的に)否定するものである。
ソフトウェア開発基盤を推進するにあたっては、
- 将来性のある筋の良い技術の選定。
- ソフトウェア開発基盤を進化させていける体制の構築。
- ソフトウェア開発基盤を重視しつつ、そこに留まらず、乗り越えた発想を持てる技術者の育成。
が必要である。
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